こんにちは、落車王です。VTECとシビックの話になると必ず車好きの中で話題になる、VTECにターボを組み合わせることは邪道なのか?について解説していきたいと思います。
頭文字D
VTECにターボと言えば、頭文字Dに登場する...スマイリー酒井さん。
彼はFFであるインテグラタイプRにターボを装備し、ハイパワー化していました。ここでFFは中排気量までの駆動方式と書かれているのには理由があります。当時の技術レベルではFFでは200psそこらが理論上扱えるギリギリの範囲内だったからです。つまり、FFという駆動方式ではハイパワーFRや4WD車に追い付ける駆動方式ではなかったのです。
遅い、FR/4WDには勝てない
そこで、スマイリー酒井は、インテRにターボを装備することでFFの可能性を追いかけ、FF以外の駆動方式の車を食おうとしていたわけです。運動性能に元々優れたインテRであれば、その可能性を見出せると...。私は何故かスマイリー酒井の姿勢が好きになりました。
VTECにターボ付けちゃえ
タイプR、主戦場をニュルに
タイプRは一時はサーキットも国内クラスで最速の部類でFR相手にジムカーナでも大活躍しましたが、世界が認めるのはあくまでニュルで速いこと。
時は流れ...タイプRはニュル世界最速を目指した。
戦う相手はゴルフやメガーヌ、そして戦う相手(世代は違えど)は500psオーバーのスーパーカーも相手です。
ニュルのようにスピードレンジが高いコースで、ハイパワー車に勝つためには、VTECで基礎を築いたエンジンにターボを組み合わせることは最重要案件だったのです。特にNAを極める場合パワーをあげるには排気量を増やす必要があるため、ただでさえフロントヘビーなFFなだけに、ターボ化するのはマストだったのです。※実際のところニュルのランキングではシビックRはかなりアンダーパワーな部類です
パワーと運動性能を両立させるためにターボ化は避けられなかった
VTECターボ
シビックタイプRに与えられたのは2L VTECターボエンジン。最大出力は320ps、最大トルク40.8kgfの強心臓。FFで稼働する量産車では世界最高出力で、エンジン単体では2Lターボ世界最軽量。フロントだけでこのパワーを引っ張る、ある意味スーパーカーでは味わえない世界です。2L NA K20AをベースにVTECは排気側のみ装備、吸気側はターボがついたことでリフト量を変えなくても吸入できるようになったのでVTECを"あえて"つけていないのです。ボアとストロークがほぼ1:1のスクエア型エンジン(燃費競争の中かなり珍しい設計)、パワーとトルクとレスポンスのバランスに優れたエンジンになります。
※本ブログの愛車ロードスターはロングストローク型で燃費やトルクに優れる
レスポンスとパワーのバランスに優れたスクエア型エンジンはリッター160馬力で世界最軽量
ド迫力のワイドボディ
ボディも空力を意識しウイングやリップやサイドスカートを標準装備、ニュルでの操安を重視しワイドトレッド化。全幅1880mmと日本車としてはかなりのワイドボディで4ドアなので車重は結構あると思いきや、意外や1390kg。86/BRZが1260-1290kgと考えれば、4人乗りで特段軽量化を意識していないシビックRの軽量さが伺えるでしょう。
ワイドボディにフルエアロを装備
強力なストッピングパワーを誇るブレーキシステム
ニュルでの高速ブレーキに耐えるため、ブレーキはタイプR史上最も大径のディスクを装備。
誇らしいタイプRエンブレム
タイプRのロゴの位置も空力を意識しmm単位で調整したんだとか。
まとめ
もちろんボディが大型化したことや、空力パーツがたくさんついてることは、たしかに今までのコンセプトとは全く違います。ただし、あくまで目指したステージが変わっただけの話。それもこのフロントで駆動するハイパワーエンジンをコントロールできる範疇に置いておくためにやっていることに過ぎないのではないでしょうか?ニュルを目指し、FF世界最速を目指した姿は間違いなくタイプRであり、ターボをつけたことは必ずしも邪道ではないのではないでしょうか。なによりも、頭文字Dのスマイリー酒井と筆者は、FFの可能性を広げるためには「やっぱりターボをつけるよな」と微笑んでることでしょう(笑)
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