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ロードスター大学

理論派ドライバーの自動車日記

【NDロードスター 】フルノーマルの走らせ方を物理する

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こんにちは、今回はフルノーマルのNDロードスターの走らせ方の記事です。難しい物理の式や四輪モデル、摩擦円などの説明は省き、図とイメージで解説します。対象の車種は、NDロードスターSスペシャルパッケージで、ちょうど納車して半年で15000㎞走行したので備忘録的に書きます。サスペンションのバネレートは、ビル脚のRSなどのグレードと比較すると柔らかめのグレードになりますので、結構印象が違うと思いますので読者の皆様の持っている印象と少し違うかもしれません。

SSPグレードの走りの装備説明

・スタビは前後装着(Sは非装着)

・トルセンスーパーLSDは装着(Sは非装着)

・補強系部品は非装着(RS,NR-Aは装着)

・冷却系や駆動系はSグレードに準ずる

⇒スペック上はSグレードとの基本的な装備は同じで、快適装備を追加で装着した車両です。Sグレードも試乗したことがありますが、RS,NR-AよりもS寄りの走りのイメージでした。特に、SSPのスタビが細いためか、SSPのリアの動きはSにかなり近い印象です。

コーナリング

ターンイン

ステアリングの中点があいまいというかかなりのフロントの軽さを感じるので、シビックタイプRのようにスパンとステアリングを切ってしまうと、狙った場所に曲がっていきません。特にサスが柔らかめのロードスターではロールが大きいことを理解して攻める必要があります。下の図はタイヤの赤色が濃いほど荷重が乗っているような状況、赤は実際に行きたいライン青は実際の走行ラインをイメージして書いています。①は荷重をかけずにステアリングのみで曲がろうとしたときのイメージで、サスが柔らかくスタビもそこまで効かないため、ロールがステアリングを切るほど大きくなっていき、車体外側に極端に荷重が移動してしまい、四輪のタイヤを使えておらずアンダーな状況です。一方で、②はターンイン時にブレーキングを残した時のイメージです。ブレーキングすることでややノーズダイブしながらターンインをするため、フロントが地面に張り付くような挙動になり、ロールが抑制されることで、四輪をより使うことができるようになりアンダーステアを減らすことができます。特にロードスターは、挙動が出やすい車のためアンダーステアの出やすいタイトコーナーではこの特性をよく理解しておく必要があると思います。基本的にタイトコーナーを速く走りたいのであれば、ブレーキングを残した方が速いです。

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↓実際のロールの様子

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【ジムカーナ】フルノーマルのNDロードスターでサーキット走ってみた - ロードスター大学

↓実際のタイヤの摩耗の具合(ジムカーナ走行)

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⇒私自身もうまいタイヤの使い方ができているわけではないため、左の外輪ばかり摩耗が起きています。

ターンアウト

③はコーナー立ち上がりで、徐々にステアリングをまっすぐに戻していき、それと連動してアクセルを入れる状況を示しています。肝は外輪のリアタイヤです!というのも、ターンアウト時には徐々にアクセルを入れることで、リアに荷重が移動していきます。その際に外輪のリアに最も荷重が載ってきますので、このグリップの限界を超えるか超えないか(摩擦円のお話)が肝となってくるわけです。ロードスターではピッチ方向の動きがフルノーマルでは大きいため、この挙動が起きやすいことを理解しておく必要があります。

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特に④のようにアクセルをパンと強く踏めば、リアタイヤの限界を簡単に超えてしまい、オーバーステアを誘発しスピン挙動となってしまいます。特に通常後輪駆動車はリアタイヤを純正で太くし(s660やBMW等)、リアの限界を高めることで、この挙動を抑え安定方向にさせています。しかしながら、NDロードスターは前後同じ径で同じ太さであるため、ターンアウト時はフロントの限界よりも先にリアの限界の方が先に来てしまうパターンが、サーキット等では多いでしょう。そのため、ロールが完全に終了していない(=ステアリングが元に戻っていない)状況下では、アクセルオンは慎重に行うことが重要でしょう。それだけ丁寧で慎重なアクセルワークがこの車では求められています。(※何度もターンアウト時に私はスピンしたことがあります苦笑)

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時にはアクセルオンを待つことが安全だったりしますが、速く走るためにはリアに太いを履くことや、脚を固くしリアへの荷重移動を抑制させることもチューニングの一つの目安かもしれません。また、リアの限界が低いとグリップ走行では不利になる可能性が高い(頭文字Dみたいなドリフト走行は実際は速くない)ですが、ジムカーナのようなパイロンターン等極端にタイトなコーナーで早く車体の向きを変えたいときは、メリットになる場合もあります。これだから、車は奥深い...(笑)

ブレーキング

ここでは、ABS領域に近い1G近いフルブレーキングを想定しています。ABSは、ブレーキングの踏み込み速度から計算し、介入します。ロードスターの場合は、サスペンションが柔らかいため、ピッチ方向の動きが出やすいです。そのため、強い踏力で早い踏み込み速度でブレーキングしてしまうと、大きくノーズダイブし、フロントに大きく荷重がかかりすぐにABSが介入してしまうため、制動距離が長くなってしまいます。それを⑤に示しています。④は強いブレーキングだが、いきなりではなく穏やかに踏むパターンを示しています。今までの話から結果は見えていると思いますが、リアタイヤを使うことができるため、急にブレーキングするよりも穏やかにブレーキングした方が速く止まることができるのです。

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※上記内容とは違いますが、やや似たようなことも記載のあるロードスター系の本として興味深いです☝

まとめ

ロードスターという乗り物は、ドライバーの操作に対しとても大きく挙動が出やすい車です。一方で、操れる範囲がとても広いのも特徴です。これらの挙動を嫌がりほとんどのロードスター乗りはサスペンションを真っ先に交換してしまいますが、荷重の移動やブレーキングを使ったコーナリングなどを練習するには、現代の車では最適なのではないでしょうか?ロードスターは、世間では遅いとか亀とかフィットより直線が遅いとか、スポーツカーじゃないとか色々言われていますが、本当はとても速い車です。なぜならその軽量性を活かし、ブレーキングが他の車より一台分遅かったり、早く車体の向きを変えアクセルオンできたりするからです。そのため、ジムカーナPN1クラスでも最強車両として君臨しています。そうなんです、この車は、アクセルをパンッと踏んだだけで速さがわかるほど簡単な車ではないと言うことです。私は初心者の練習用の車におすすめというのわかりますが、初心者が速く走らせるのにはとても難しい車だと思います。それだから、各地のサーキットではロードスター使いと言われるような人が必ずと言っていいくらいいるのですが。。では!

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